【セカンド】50代からの「新しい友達の作り方」:人間関係を無理なく広げる7つの方法

ライフ

50代・60代になると、「新しい友達をつくりたい」と思っても、若い頃のようにはいかないと感じることがあります。

職場では役職や立場が先に立ち、家庭では子育てが一段落する一方で、学生時代の友人とは生活環境が変わり、自然に会う機会が減っていきます。

しかし、ここで大切なのは、友達の数を増やすことではありません。

50代・60代以降は、「何人知っているか」よりも、「誰と、どの程度の関係を築きたいか」を自分なりに整理することのほうが重要です。

知り合いは、会えば挨拶をしたり、共通の話題を楽しんだりする人です。一方、友達とは、自分の楽しみだけでなく、不安や悩み、迷いなども、必要に応じて隠さず話せる人ではないでしょうか。

もちろん、何でも話さなければ友達ではない、という意味ではありません。お互いに安心して、少しずつ自分を見せられる関係が、年齢を重ねてからの友達です。

この記事では、50代・60代が人間関係を無理なく広げ、知り合いを友達へ育てていく方法を考えます。

50代・60代になると友達が減りやすい理由

50代・60代の人間関係は、本人の性格だけでなく、生活構造の変化に大きく影響されます。

会社員時代の付き合いの多くは、同じ組織、同じ仕事、同じ目標という土台の上に成り立っています。退職、役職定年、転職、再雇用などでその土台がなくなると、毎日のように会っていた人とも急に連絡が途絶えることがあります。

また、親の介護、配偶者との生活、子どもの独立、自分や家族の健康問題などによって、自由に使える時間にも個人差が広がります。

同じ50代・60代だからといって、同じような生活をしているわけではありません。

特に仕事中心で過ごしてきた人は、「用事がなければ連絡しにくい」「雑談のために誘うのは気が引ける」と感じがちです。

しかし、友達づくりには、仕事のような明確な目的や成果は必要ありません。

むしろ、「一緒にいると少し楽しい」「また話したい」という小さな感覚が出発点になります。

例えば、退職後に元同僚へ連絡しようと思いながら、「相手も忙しいだろう」「特に話題もない」とためらい、半年、1年と過ぎてしまうことがあります。しかし、相手も同じように、誰かからの連絡を待っているかもしれません。

友達の数より「関係の濃さ」を考える

友達が多いことと、人間関係が充実していることは同じではありません。

連絡先が何百件あっても、困ったときに話せる人がいなければ、孤独を感じることがあります。

反対に、頻繁には会わなくても、安心して話せる人が一人か二人いれば、心の支えになります。

そこで一度、自分の人間関係を次の三つに分けて考えてみることをおすすめします。

一つ目は、挨拶や情報交換をする「知り合い」です。

二つ目は、趣味や活動を一緒に楽しむ「仲間」です。

三つ目は、自分の気持ちや悩みも話せる「友達」です。

どの関係にも価値があり、すべての知り合いを友達にする必要はありません。

重要なのは、「この人とは趣味だけを楽しむ」「この人とは仕事の相談ができる」「この人には弱音も話せる」と、関係ごとの距離感を自分で認めることです。

一人の相手に、楽しさ、共感、相談、助言のすべてを求めると、相手にも自分にも負担がかかります。

友達の数が多ければよいというものではありません。50代・60代以降は、限られた時間を誰と過ごしたいのか、自分にとって心地よい人間関係とは何かを考えることが大切です。

例えば、ゴルフ仲間とはプレーを楽しみ、地域活動の仲間とは地域の課題を話し、昔からの友人には家族の悩みを相談する。このように役割が違っていても、どれも大切なつながりです。

新しい友達は「共通の活動」からつくる

50代・60代が新しい人間関係をつくるとき、最も自然なのは、会話だけを目的にするのではなく、共通の活動を持つことです。

趣味の講座、スポーツ、地域活動、ボランティア、学び直し、資格の勉強会など、定期的に同じ人と顔を合わせる場所が向いています。

内閣府の高齢社会白書では、60歳以上のグループ活動への参加経験が紹介され、活動に参加してよかったこととして「新しい友人を得ること」が挙げられています。趣味やスポーツ、地域活動は、健康や生きがいだけでなく、人とのつながりを生み出す場にもなっています。

また、50代後半から60代前半では、地域活動やボランティア活動に参加したいと考えている人の割合に比べて、実際の参加率が低いという調査結果もあります。関心はあっても、最初の一歩を踏み出せていない人が少なくないのです。

活動を選ぶ際は、「立派な活動かどうか」よりも「無理なく続けられるか」を優先しましょう。

自宅から近い、月に1~2回程度、費用が高すぎない、欠席しても周囲に迷惑をかけにくい、といった条件が大切です。

人間関係は、一度の参加ではなく、同じ場所に何度も顔を出すことによって少しずつ育ちます。

例えば、自治体の市民講座に一度参加しただけでは、隣の人と挨拶を交わす程度かもしれません。しかし、同じ講座に数か月通い、終了後に「今日の内容は難しかったですね」と話すところから、自然に会話が始まります。

知り合いを友達に変える「小さな自己開示」

同じ活動に参加しても、天気やニュースなど、当たり障りのない会話だけでは、関係はなかなか深まりません。

知り合いを友達へ近づける鍵は、小さな自己開示です。

自己開示というと、大きな秘密や深刻な悩みを話すことだと思われがちですが、そうではありません。

「最近、運動不足が気になっている」

「退職後の時間の使い方に迷っている」

「親のことで少し心配がある」

このように、自分の現在地を少しだけ伝えることです。

ただし、最初から重い相談をしたり、相手の事情に踏み込みすぎたりするのは避けましょう。

自分が一歩話し、相手の反応を見る。相手も少し話してくれたら、次にもう一歩進む。この往復が信頼をつくります。

また、相手の話を評価せずに聴く姿勢も欠かせません。

「それはこうするべきだ」とすぐに助言するよりも、「そう感じているのですね」「それは大変でしたね」と、まず受け止めるほうが、安心して話せる関係になります。

友達とは、自分の話を聞いてもらうだけの相手ではありません。相手の楽しみや悩みにも関心を持ち、お互いが話し、お互いが聴く関係です。

例えば、「最近、妻と二人の時間が増えたけれど、どう過ごせばよいか戸惑っている」と軽く話したところ、相手も「実は自分も同じだ」と打ち明けてくれることがあります。共通の弱さや迷いが、関係を一段深めることがあります。

友達をつくるには「誘う側」になる

新しい友達ができないと悩んでいる人の中には、「誰かが誘ってくれるのを待っている」という人も少なくありません。

しかし、50代・60代になると、周囲の人も同じように遠慮しています。

「忙しいのではないか」

「迷惑に思われないか」

「断られたら恥ずかしい」

こうした気持ちは、自分だけでなく相手も持っています。

だからこそ、ときには自分から小さく誘うことが必要です。

ただし、「今度ゆっくり飲みましょう」といった曖昧な誘いよりも、「来週の講座の後に30分ほどお茶をしませんか」というように、時間や目的を限定したほうが、相手も応じやすくなります。

断られても、必ずしも嫌われたわけではありません。家庭の事情、仕事、体調など、50代・60代にはそれぞれの都合があります。

一度断られただけで結論を出さず、「また都合のよいときに」と軽く返せば十分です。

例えば、地域の清掃活動で何度か話した人に、「次回の活動が終わった後、近くでコーヒーでもどうですか」と声をかけてみます。大がかりな食事会よりも、30分程度のお茶のほうが、最初の一歩としては誘いやすいでしょう。

友達づくりで無理をしないための境界線

人間関係を広げたいからといって、誘いをすべて受けたり、相手に合わせ続けたりする必要はありません。

50代・60代は、これからの時間、お金、体力を何に使うかを考える年代でもあります。

友達との付き合い方について、あらかじめ自分なりの基準を持っておくと楽になります。

会う頻度は月1回がよいのか、年に数回でもよいのか。お酒を伴う付き合いをどこまで続けるのか。旅行まで一緒にしたいのか。悩みを話せる関係を望むのか。

こうした点に正解はありません。

毎週会わなくても友達です。数年間会っていなくても、再会すれば以前と同じように話せる関係もあります。

大切なのは、世間一般の友達像ではなく、自分にとって心地よい距離を見つけることです。

また、付き合った後にいつも疲れる、否定される、自慢話ばかり聞かされる、金銭的な負担が大きいという関係は、距離を調整してもよいのです。

古い友人だから一生付き合わなければならないわけでも、新しい知り合いだから無理に親しくしなければならないわけでもありません。

例えば、毎回高額な飲食店に誘う友人に対して、「次は昼に近所で会いませんか」と提案してみます。それで関係が薄くなるのであれば、今の自分には無理のある付き合いだったと考えることもできます。

オンラインのつながりを入口にする

SNSやオンラインコミュニティも、50代・60代の友達づくりに役立ちます。

住んでいる場所に関係なく、同じ趣味や経験を持つ人と出会えるからです。文章でのやり取りから始められるため、初対面の人との会話が苦手な人にも向いています。

ただし、オンラインだけで急に深い関係を求めず、個人情報や金銭の扱いには十分注意しましょう。

最初は、公開されている投稿へのコメント、オンライン講座、趣味のグループなど、運営者や活動目的が明確な場を選ぶことが基本です。

オンラインで気の合う人が見つかったら、複数人で開催される交流会や公開イベントなど、安全性の高い場で会う方法もあります。

オンラインと対面を競わせるのではなく、オンラインを出会いの入口、対面を関係を育てる場として使い分けるとよいでしょう。

例えば、家庭菜園のオンラインコミュニティで野菜づくりの情報交換を続け、地域が近い数人で昼間の公開イベントに参加します。共通の話題がすでにあるため、初対面でも会話が始めやすくなります。

一人の時間と孤立は違う

友達づくりを考えるとき、「一人でいることはよくない」と思い込む必要はありません。

一人で本を読む、散歩する、映画を見る、旅行する。こうした時間を楽しめることは、豊かな人生の一部です。

問題になるのは、自分が望んで一人でいることではなく、話したいときに話せる相手がおらず、助けを求めたいときにも誰にもつながれない状態です。

内閣府は社会的孤立について、家族や地域社会との交流が客観的に著しく乏しい状態と説明しています。また、一人暮らしの人や、友人・近隣との付き合い、グループ活動が少ない人は、日頃の会話の頻度も低くなる傾向が示されています。

政府広報も、孤独や孤立は誰にでも起こり得る身近な問題であり、日頃から緩やかなつながりを持つことの大切さを伝えています。

友達をたくさんつくる必要はありませんが、「何かあったときに連絡できる人や場所」を複数持っておくことは大切です。

例えば、普段は一人で過ごすことが好きでも、月に一度は趣味の会に参加する、近所の人と挨拶をする、昔の友人に時々メッセージを送る。この程度の緩やかなつながりでも、孤立を防ぐ助けになります。

今日からできる5つの行動

新しい友達づくりは、大きな決断ではなく、小さな行動の積み重ねです。

まず、しばらく連絡していない人を一人思い出し、短いメッセージを送ります。

次に、自治体、図書館、公民館、社会福祉協議会などの講座や活動を一つ調べます。

そして、興味のある集まりに一度参加し、そこで一人に挨拶をします。

さらに、会話の中で自分のことを一つだけ話し、相手の話を一つ丁寧に聴きます。

最後に、「またお会いしたいですね」「次回も参加されますか」と、次につながる一言を伝えます。

大切なのは、最初から友達をつくろうと力まないことです。

「顔を知っている人を一人増やす」「短い会話を一回する」程度で十分です。

知り合いが仲間になり、仲間の中から友達が生まれるまでには時間がかかります。急いで距離を縮めるよりも、何度も顔を合わせながら、少しずつ信頼を積み上げていきましょう。

例えば、毎週同じ時間に犬の散歩をして、よく会う人に挨拶します。数週間後に犬の名前を聞き、さらに天気や地域の話をする。こうした日常の繰り返しも、立派な友達づくりです。

参考になる公的サイト

新しい活動の場や相談先を探す際は、次のような公的機関の情報が参考になります。

内閣府の「高齢社会白書」では、高齢者の社会参加、地域活動、人との付き合い、社会的孤立などに関する調査結果が公開されています。
内閣府「高齢者の社会参加活動」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/gaiyou/s1_2_5.html
グループ活動への参加によって「新しい友人を得られた」という調査結果が掲載されています。

政府広報オンラインの「孤独・孤立対策」では、日頃から緩やかなつながりを持つことの重要性や、相談窓口に関する情報が紹介されています。
政府広報オンライン「ゆるやかにつながろう!孤独・孤立対策」
https://www.gov-online.go.jp/article/202605/radio-3604.html
孤独・孤立を防ぐための日頃のつながりや、周囲の人への支援について紹介されています。

厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNSによる相談窓口が案内されています。一人で抱え込むことがつらい場合は、友人をつくる努力だけで解決しようとせず、専門の相談先を利用することも大切です。
厚生労働省「まもろうよ こころ」
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
電話やSNS、チャットなどで利用できる相談窓口がまとめられています。

このほか、住んでいる自治体の公式サイト、公民館、図書館、社会福祉協議会、市民活動支援センターなどでも、講座、ボランティア、サークル活動の情報を確認できます。

まとめ|50代・60代からでも人間関係は育てられる

50代・60代からの友達づくりで大切なのは、人数を追いかけることではありません。

自分がどのような関係を望んでいるのかを整理し、知り合い、仲間、友達の違いを受け入れることです。

友達とは、いつも一緒にいる人でも、何でも知っている人でもありません。

楽しみや悩みを必要に応じて共有でき、お互いの違いと距離を尊重できる人です。

共通の活動に参加し、小さな自己開示を重ね、無理のない頻度で会う。その積み重ねによって、50代・60代からでも人間関係は十分に広げられます。

人間関係にも、人生の時期によって新陳代謝があります。昔からの友人を大切にしながら、新しい知り合いや仲間を迎え入れる余白を持つことが、これからの人生を豊かにします。

まずは一人に連絡する、一つの活動を調べる、一言挨拶する。

その小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。

当メディア管理人
じょう

日系企業から外資系CFOまでキャリアアップを経験し、定年後は「定年ぼっち起業」を実践中。キャリア・お金・ライフプランに関する豊富な経験と、中小企業診断士・FP・キャリアコンサルタントなどの資格を活かし、現役世代からシニア世代までのライフ・バリュー・アップを支援。
本ブログ「キャリ道」では人生の転機に役立つヒントを発信しています。

じょうをフォローする
ライフ
シェアする
じょうをフォローする
タイトルとURLをコピーしました