【キャリアアップ】キャリアビジョンを言葉にする

キャリア

 キャリアビジョンを言葉にする(言語化する)ことは大切です。言語化とは、「言葉で表現すること。 直感的なものを説明・伝達可能にすること」です。そして、言語化は目標を具体化し、方向性を提供するため、進むべき道が明確になります。具体的な言葉で将来の理想像を表現することで、自身のモチベーションを維持し、日々の行動を結びつける力になります。
 また、明確な目標は計画の策定を容易にし、適切なステップを踏むことができます。他者とのコミュニケーションも円滑になり、キャリアにおいて求めるサポートを受けることが可能になります。総じて、キャリアビジョンの言語化は自己認識と方針の明確化に寄与し、持続可能な成長を促進します。
 今回は、業務別キャリアビジョンの具体例(経理、人事、国内営業、マーケティング、品質管理、海外営業、IT、購買)を作成してみました。

キャリアビジョンを言語化する重要性

キャリアビジョンを言語化することは非常に重要です。以下はその理由です:

  1. 方向性の提供:
    • キャリアビジョンを言語化することで、将来の自分に向けて明確な方向性が提供されます。目標や望む状態を言語で表現することで、それに向かって進むための具体的なステップや計画を立てることができます。
  2. モチベーションの維持:
    • キャリアビジョンは、目標達成へのモチベーションを維持する助けになります。将来の成功や達成感を言語化することで、日々の努力や困難に対しても前向きな意欲を維持することができます。
  3. 明確な目標の設定:
    • キャリアビジョンを言語化することで、抽象的な目標を具体的かつ実現可能なものに変換できます。具体的な目標は、進捗を追いやすくし、計画を立てやすくします。
  4. 選択肢の絞り込み:
    • キャリアビジョンをはっきりさせることで、自分の興味や価値観に合ったキャリアパスを見つける手助けとなります。これにより、無駄な時間やエネルギーを浪費せず、自身にとって意義あるキャリアを構築する方向性を見つけやすくなります。
  5. 自己認識の促進:
    • キャリアビジョンを言語化するプロセスは、自己認識を促進します。自分が本当に求めるものや重視する価値観を整理し、それに基づいてキャリアをデザインすることができます。
  6. 他者とのコミュニケーション:
    • キャリアビジョンを言語化することで、他者とのコミュニケーションが円滑になります。自分のビジョンを他人に伝えることで、協力体制を築きやすくなり、キャリアにおけるサポートやアドバイスを得やすくなります。
  7. 成長と変化への対応:
    • キャリアビジョンは静的なものではなく、変化に適応する柔軟性を持っています。変化する状況や新しい目標に対応できるように、ビジョンを言語化し、必要に応じて調整することができます。

キャリアビジョンを言語化する8つのポイント

キャリアビジョンを文章で表現する際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。

  1. 具体性と明確性:
    • 抽象的な言葉や曖昧な表現を避け、具体的で明確な言葉を使用します。
    • 具体的な目標や成果物、達成したいポジションやプロジェクトを挙げましょう。
  2. 時間の視点:
    • 将来の特定の時点での姿を描くことで、ビジョンがよりリアルかつ迫力を持つものになります。
    • 例えば、5年後や10年後の自分のキャリア像を描写することで、長期的な視点を示すことができます。
  3. パッションとモチベーション:
    • 自分の仕事における情熱やモチベーションを強調します。なぜそのキャリアパスを選び、なぜそれに情熱を持っているのかを伝えましょう。
  4. スキルと経験の結びつき:
    • 自分のスキルや経験と将来のビジョンを結びつけます。どのようなスキルを身につけ、どのような経験を積んでいくことで目標に近づくのかを示します。
  5. 業界の理解:
    • 選んだキャリアパスや業界に関する深い理解を示します。業界の動向やトレンドについても触れることで、将来にわたる自分の位置づけを明確にします。
  6. 挑戦と成長:
    • 未来のキャリアで直面するであろう課題や挑戦に対するアプローチを述べましょう。自分がどのように成長し、困難に立ち向かうつもりなのかを示します。
  7. ポジティブな言葉遣い:
    • 自信を持って、前向きな言葉を使います。自分の可能性を信じ、達成感を感じられるような表現を心がけましょう。
  8. 調整可能性:
    • ビジョンは柔軟で調整可能なものであることも示唆します。将来の変化や新たな発見に対応できるように、柔軟性をアピールポイントとして加えましょう。

例えば、以下はこれらのポイントを考慮に入れて書かれた一例(情報技術者)です:

“私は情報技術の分野で、AIと機械学習の専門家としてのキャリアを築いていきたいと考えています。将来の5年後には、新しいAIプロジェクトを率い、業界の最先端で活躍している自分を見ています。私は現在、データ分析やプログラミングのスキルを磨きつつ、リーダーシップとプロジェクトマネージメントの経験を積むことで、将来的な目標に向けて自らを準備しています。このキャリアでの情熱は、技術の進化がもたらす可能性と、その中での課題への挑戦にあります。常に新しい知識を吸収し、柔軟に変化に対応する姿勢を持ちながら、技術の力で社会に価値を提供することが私の目標です。”

業務別キャリアビジョンの具体例:経理、人事、国内営業、マーケティング、品質管理、海外営業、IT、購買 

財務経理担当者のキャリアビジョン:

“私の財務経理のキャリアビジョンは、企業の財務健全性を確保し、持続可能な成長に貢献することです。将来の5年後には、会計および財務の専門家として組織の財務戦略をリードし、効果的な予算管理、リスク評価、および戦略的投資の方針を確立しています。会計の最新のトレンドや法的変更に対応しながら、データに基づく意思決定を推進し、経営陣に対して戦略的アドバイスを提供していくことが私の目標です。”

人事担当者のキャリアビジョン:

“私の人事管理のキャリアビジョンは、人と組織の成長を同時に促進することに焦点を当てています。将来の5年後には、組織の戦略と連動した人材戦略を策定し、優れた人材の獲得、育成、および定着を実現することが使命です。従業員のエンゲージメント向上と多様性・包摂の推進に注力し、リーダーシップ開発プログラムを推進して、優れた企業文化の構築に寄与していきます。”

国内営業担当者のキャリアビジョン:

“私の国内営業のキャリアビジョンは、市場におけるリーダーシップを確立し、企業の収益成長に寄与することです。将来の5年後には、戦略的な顧客関係の構築と維持を通じて、営業チームをリードし、売上目標を達成します。市場のトレンドや競合動向を的確に分析し、製品やサービスのポジショニングを最適化することで、市場シェアの拡大を目指します。”

マーケティング担当者のキャリアビジョン:

“私のマーケティングのキャリアビジョンは、ブランドの強化と市場シェアの拡大を通じて企業の成長をけん引することにあります。将来の5年後には、デジタルマーケティングと伝統的な広告手法の統合を図り、顧客の期待に応える戦略的なマーケティングキャンペーンを展開します。市場リサーチを通じて新しい機会を見つけ、顧客との深い関係を構築することで、企業のブランド価値を最大化します。”

品質管理担当者のキャリアビジョン:

“私の品質管理のキャリアビジョンは、優れた製品の提供を通じて企業の信頼性を高めることに焦点を当てています。将来の5年後には、品質保証プロセスを更に強化し、生産ライン全体での品質向上に貢献します。不良率の低減や製品検査の効率化などにより、最高水準の品質を確保し、企業の製品が市場での評価を高められるような体制を築いていきます。”

海外営業担当者のキャリアビジョン:

“私の海外営業のキャリアビジョンは、グローバルな市場で企業の成長を牽引することにあります。将来の5年後には、新たな市場への進出をリードし、国際的な顧客との強固な関係を構築しています。異文化への適応力を活かし、ニーズに合った提案を行いながら、売上目標を達成し企業の国際的な展望を広げます。”

IT担当者のキャリアビジョン:

“私のITのキャリアビジョンは、技術の進化を活かして企業のデジタルトランスフォーメーションを促進することに焦点を当てています。将来の5年後には、先進的なテクノロジーの導入と統合をリードし、セキュリティを確保しながらビジネスプロセスを最適化します。チームを指導し、新たな技術の研究と採用を進めながら、企業のITインフラストラクチャを持続的に強化していきます。”

購買担当者のキャリアビジョン:

“私の購買のキャリアビジョンは、企業の調達戦略を最適化し、効率的かつ持続可能な調達ネットワークを構築することにあります。将来の5年後には、サプライヤーとの戦略的なパートナーシップを強化し、調達プロセスを効果的に管理します。価格交渉、品質評価、リスク管理などを通じてコストの最適化を図り、企業の利益を最大化する戦略を展開していきます。”

まとめ

 キャリアビジョンを言語化することは、目標の明確化と達成への道筋を描くために重要です。具体的な言葉で将来の理想像を表現することで、自分の方向性が明確になり、モチベーションが維持されます。言語化は目標設定や計画策定に役立ち、他者とのコミュニケーションも向上します。自己認識が深まり、求めるキャリアパスを見つけやすくなります。
 このように、キャリアビジョンの言語化は自己成長の促進と持続可能な成功に向けた基盤を築く重要な手段となります。具体例を参考にして頂き、キャリアビジョン作成のお役に立てば幸いです。

当メディア管理人
じょう

大学卒業後、日系の経理部員からキャリアをスタートし、欧米、台湾など主に外資系にて転職を経験。その間、マネージャーからCFOへと着実にキャリアアップを実現。
 定年後、会社設立し定年ぼっち起業。キャリアアップ経験、人事部ではなく採用部門側として700人以上の経歴確認や300人以上の採用面接の経験、求職側と採用側の両方の経験などを活かしたキャリアアップ支援を実施中。また、中小企業診断士、ITコーディネーター、ファイナンシャル・プランナーなどの資格を活かした個人のライフ・バリュー・アップをサポート中。2024年5月国家資格キャリアコンサルタント登録。
 このサイトでは、「キャリア=ライフ・バリュー」と捉え、「自分らしくキャリアアップをしながら、ライフバリューアップを目指している人に向けてのコンシェルジュ」を目指して、情報を発信中。

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