【キャリアアップ】キャリアビジョン作成 行動計画を作る

キャリア

 キャリアビジョンが言語化できたら、次のステップはビジョン実現のための行動計画の策定です。行動計画の作成はキャリアビジョンを実現する上で極めて重要です。
 今回は、キャリアビジョン実現のためになぜ行動計画が必要なのか?、行動計画の策定ステップ、作成ステップにある自身のSWOT分析の具体例(新人と管理職前の場合)について紹介、最後に前回の記事のビジョンの具体例(財務経理と人事管理担当のビジョン)を基に具体的な行動計画の項目について整理してみました。

キャリアビジョン実現のためになぜ行動計画が必要なのか?

 行動計画の作成はキャリアビジョンを具現化し、目標達成に焦点を当てるために重要です。具体的なステップや期限を設けることで、ビジョンがリアルな取り組みに変換され、進捗を追跡できます。行動計画は焦点を提供し、優先順位を明確にし、時間を最適に活用する手助けをします。また、進捗のモニタリングや評価を通じて、課題を特定し、修正が必要な場合に対処できます。さらに、計画の策定はモチベーションを高め、リーダーシップと自己責任を養います。変化への柔軟性を促進し、成功への道筋を示すことで、ビジョンの実現がより確実になります。 
主な理由を以下に整理します

  1. 具体的な方針と目標の確立:
    • 行動計画を作成することで、抽象的なキャリアビジョンを具体的な方針や目標に分解することができます。目標が具体的で明確になることで、それに向けた戦略的なアプローチを検討できます。
  2. 進捗のモニタリングと評価:
    • 行動計画を策定することで、進捗をモニタリングしやすくなります。具体的な行動項目やタイムラインが明確になるため、目標に対する進捗や達成度を効果的に評価できます。
  3. 方向性の提供:
    • 行動計画はある目標に向かって進むための方向性を提供します。ビジョンは目指すべき方向を示すものですが、行動計画はその方向に進むためのステップや手順を提示します。
  4. 効果的な時間管理:
    • 行動計画を策定することで、時間の使い方を効果的に管理できます。優先順位をつけ、タスクを分解することで、限られた時間内で重要な作業に焦点を当てられます。
  5. 課題の特定と克服:
    • 行動計画は途中で発生する可能性のある課題や障害を特定する手助けをします。これにより、問題が発生した際には迅速に対処し、計画の修正や調整が行えます。
  6. モチベーションの維持:
    • 行動計画は進捗を確認し、目標に対する成功体験を提供します。これはモチベーションを高め、継続的な努力を維持するのに役立ちます。
  7. リーダーシップと自己責任:
    • 行動計画はリーダーシップと自己責任の重要性を強調します。自らの目標に向けて行動計画を策定し、それを実現するためのリーダーシップを発揮することが求められます。
  8. 変化への適応力:
    • 行動計画は変化に対する柔軟性を構築します。状況や環境が変わった際に、計画を修正し、新しい状況に適応する能力が向上します。

総じて、行動計画はキャリアビジョンを達成するために必要なステップや方針を示し、実現に向けた具体的な道筋を提供します。それによって、目標に向かって効果的かつ効率的に進むことができます。

キャリアビジョン実現のため行動計画の策定ステップ

キャリアビジョンを実現するための行動計画を策定する際、以下のステップを考慮すると良いでしょう。

  1. ビジョンの明確化:
    • まず初めに、具体的で実現可能なキャリアビジョンを明確にしましょう。どの分野に進むのか、どのようなポジションに就きたいのかを具体的に定義します。
  2. 目標の設定:
    • キャリアビジョンに基づいて、5年、3年、1年といった短中長期の目標を設定します。これによってビジョンを達成するためのステップが具体的になります。
  3. SWOT分析の実施:
    • 自身の強み、弱み、機会、脅威(SWOT)を分析します。これにより、現状の把握や課題の特定が可能になります。
  4. 必要なスキルと資格の特定:
    • 目標達成に必要なスキルや資格を明確にします。これに基づいて、スキルや資格の向上のためのトレーニングや学習計画を策定します。
  5. ネットワーキングの計画:
    • キャリアの発展に有益な人脈を築くための計画を立てます。業界のイベントやセミナーへの参加、LinkedInなどのプロフェッショナルネットワークの活用が含まれるでしょう。
  6. 行動項目の具体化:
    • 目標達成に向けての具体的な行動項目をリストアップします。これは日々の活動やプロジェクトへの参加、スキルの向上などが含まれます。
  7. タイムラインの設定:
    • 各行動項目に対して、実行するタイミングや期限を設定します。これにより、計画を具体的かつ実行可能なものにします。
  8. モニタリングと評価:
    • 定期的なモニタリングと評価を組み込みます。進捗を追跡し、目標の達成度を確認しながら、必要に応じて修正や調整を行います。
  9. フィードバックの取得:
    • メンター、同僚、上司などからのフィードバックを積極的に取得します。これにより、自己評価と外部の意見を組み合わせ、成長に繋げます。
  10. 柔軟性と適応力の確保:
    • 環境の変化や予期せぬ課題に対応するために柔軟性と適応力を育て、必要に応じて計画を修正します。

これらのステップを追いながら、具体的な行動計画を策定することで、キャリアビジョンの実現に向けた確かな一歩を踏み出すことができます。

自身のSWOT分析の具体例 1:新人経理担当の場合

  1. 強み (Strengths):
    • 例: 優れた数学的な能力と論理的思考
      • 説明: 数学的なスキルや論理的思考力が強みとなり、複雑な財務データを理解し、問題解決に役立つ。
    • 例: 丁寧で正確な仕事ぶり
      • 説明: 仕事に対して丁寧かつ正確に取り組むことで、ミスを減らし、信頼性のある結果を提供できる。
    • 例: コミュニケーション能力の向上
      • 説明: チームとの円滑なコミュニケーションができるよう、積極的にスキルを向上させている。
  2. 弱み (Weaknesses):
    • 例: ERPシステムの未経験
      • 説明: 特定のERP(基幹システム)システムに未経験であることが弱み。トレーニングや学習が必要。
    • 例: 短期的なストレスに対する対処能力の向上が必要
      • 説明: 短期的な締め切りやプレッシャーに対してストレスがかかりやすいため、効果的なストレス管理スキルの向上が必要。
    • 例: 財務法務に関する知識の不足
      • 説明: 法務や規制に関する知識が不足しているため、関連する法的変更に素早く対応できるように学習が必要。
  3. 機会 (Opportunities):
    • 例: 新しい経理ソフトウェアの導入
      • 説明: 新しい経理ソフトウェアの導入に参加することで、最新のツールやテクノロジーに触れ、スキル向上の機会が広がる。
    • 例: 会計法務セミナーへの参加
      • 説明: 会計法務に関する知識を深化するために、セミナーやトレーニングへの参加が可能。業界の変化に迅速に対応できるようになる。
    • 例: チーム内での役職昇進の機会
      • 説明: 優れた仕事ぶりや成果が認められ、経理チーム内での昇進の機会が生まれる。
  4. 脅威 (Threats):
    • 例: 経済の不確実性
      • 説明: 経済の変動や不確実性により、企業の財務状況が影響を受ける可能性があり、それに対処する必要がある。
    • 例: 財務詐欺やデータ漏洩のリスク
      • 説明: インターネット犯罪や内部犯罪のリスクがあるため、セキュリティ対策やデータ管理に対する意識を高める必要がある。
    • 例: 競争の激化
      • 説明: 経理業務の自動化が進む中、他の経理担当者や技術が進化する企業との競争が激化しており、スキルの向上が求められている。

これらの具体例を踏まえたSWOT分析は、新人の経理担当者が自身のポジションをより深く理解し、キャリアの方向性やスキルの向上について考えるのに役立ちます。

自身のSWOT分析の具体例 2:管理職前の中堅担当の場合

  1. 強み (Strengths):
    • 例: 優れたリーダーシップスキル
      • 説明: プロジェクトやチームをリードする経験から、優れたリーダーシップスキルを有しており、他のメンバーを統率し目標達成に貢献できる。
    • 例: データ分析と意思決定の能力
      • 説明: データを活用して効果的な意思決定を行う能力があり、戦略的な判断を下す際にデータ駆動のアプローチを取ることができる。
    • 例: 優れた人間関係構築力
      • 説明: チームメンバーやクライアントとの積極的で信頼性のある関係構築ができ、協力関係を築くのが得意。
  2. 弱み (Weaknesses):
    • 例: 時間管理の課題
      • 説明: 多忙な状況下で効果的な時間管理が難しく、プロジェクトの優先順位付けやタイムラインの厳守が課題。
    • 例: パブリックスピーキングの苦手意識
      • 説明: 大人数の前でのプレゼンテーションやパブリックスピーキングに対する苦手意識があり、自信を持って表現することが課題。
    • 例: 新技術への速い適応が難しい
      • 説明: 新しい技術やツールの導入に対する適応が速くないため、デジタル化が進む環境での追いつきが難しい。
  3. 機会 (Opportunities):
    • 例: 新しいプロジェクトのリーダーシップの機会
      • 説明: 新しいプロジェクトのリーダーシップを担当することで、リーダーシップスキルを更に発展させる機会が生まれる。
    • 例: 組織内の研修プログラムへの参加
      • 説明: 組織が提供する研修プログラムに参加することで、新しいスキルや知識を習得し、自己成長の機会を得る。
    • 例: 新規事業の立ち上げチームへの参加
      • 説明: 新規事業の立ち上げに参加することで、新しいアイディアを形成し、組織におけるイノベーションの機会が広がる。
  4. 脅威 (Threats):
    • 例: 市場競争の激化
      • 説明: 業界や市場が競争激化しており、他社との競争が増加しているため、差別化が求められる。
    • 例: 組織内のリソース制約
      • 説明: 組織内でのリソースが限られているため、プロジェクトの実行において予算や人員不足が脅威となる可能性がある。
    • 例: 経済の不安定性
      • 説明: 経済の変動や不確実性がビジネスに影響を与えるため、リーダーシップの課題が増加する可能性がある。

これらの例をもとに、管理職前の中堅ビジネスマンが自身の状況を把握し、キャリアの戦略を検討するのに役立てることができます。

ビジョンを実現するための行動計画の立て方 例:財務経理

 例えば前回記事のビジョンの例をケースに行動計画の立て方をみてみましょう。
「私の財務経理のキャリアビジョンは、企業の財務健全性を確保し、持続可能な成長に貢献することです。将来の5年後には、会計および財務の専門家として組織の財務戦略をリードし、効果的な予算管理、リスク評価、および戦略的投資の方針を確立しています。会計の最新のトレンドや法的変更に対応しながら、データに基づく意思決定を推進し、経営陣に対して戦略的アドバイスを提供していくことが私の目標です。」
以上の財務経理のキャリアビジョンを実現するための具体的な行動計画の項目は:

  1. スキルと資格の向上:
    • 現在のスキルセットを評価し、目標に必要なスキルを特定します。
    • 財務戦略策定、予算管理、リスク評価などの分野での専門的なスキルを向上させるためのトレーニングや資格取得プログラムに参加します。
  2. 産業動向の把握:
    • 会計および財務の最新のトレンドや法的変更に対する意識を高めます。
    • 専門のウェビナーやセミナーへの参加、業界刊行物の定期的な読書を通じて、最新情報を取り入れます。
  3. データ分析スキルの向上:
    • データに基づく意思決定を推進するために、データ分析スキルを向上させます。
    • Excelやビジネスインテリジェンスツールのトレーニングを受け、データの有効活用方法を学びます。
  4. リーダーシップとコミュニケーションスキルの発展:
    • 組織の財務戦略をリードするためには、リーダーシップスキルが必要です。
    • チームビルディング、プロジェクトマネジメント、組織への影響力を高めるためのトレーニングを受けます。
  5. 実務経験の拡充:
    • 財務戦略をリードするための実務経験を積みます。
    • 新しいプロジェクトや財務イニシアティブに積極的に参加し、自身のリーダーシップを発揮します。
  6. ネットワーキング:
    • 財務および会計の専門家とネットワーキングを強化します。
    • 業界のイベント、セミナー、プロフェッショナル団体への参加を通じて、他の専門家とのつながりを築きます。
  7. 戦略的アドバイスの提供:
    • 経営陣に対して戦略的アドバイスを提供するためのスキルを磨きます。
    • ビジネスの理解を深め、経営者との関係を構築するために積極的なコミュニケーションをとります。
  8. 自己評価と修正:
    • 定期的に進捗を評価し、必要に応じて行動計画を修正します。
    • フィードバックを受け入れ、成長と改善の機会を見逃さないようにします。

これらのステップを組み合わせることで、ビジョンを実現するための着実な進展が期待できます。

ビジョンを実現するための行動計画の立て方 例:人事管理

 例えば前回記事のビジョンの例をケースに行動計画の立て方をみてみましょう。
「私の人事管理のキャリアビジョンは、人と組織の成長を同時に促進することに焦点を当てています。将来の5年後には、組織の戦略と連動した人材戦略を策定し、優れた人材の獲得、育成、および定着を実現することが使命です。従業員のエンゲージメント向上と多様性・包摂の推進に注力し、リーダーシップ開発プログラムを推進して、優れた企業文化の構築に寄与していきます。」
以上の人事担当のキャリアビジョンを実現するための具体的な行動計画の項目は:

  1. 組織のビジョンと人材戦略の統合:
    • 組織のビジョンと戦略を理解し、それに基づいた人材戦略を策定します。
    • 経営陣と協力し、人事活動を組織の長期的な目標と連動させます。
  2. 優れた人材の獲得:
    • 効果的な採用戦略を開発し、優れた人材の獲得に注力します。
    • 選考プロセスの最適化や企業のブランドイメージの向上などを検討します。
  3. 従業員育成とトレーニング:
    • 従業員のスキルと能力を向上させるための育成プログラムを設計します。
    • パフォーマンス評価やキャリア開発プランの導入など、従業員の成長を促進します。
  4. エンゲージメント向上:
    • 従業員エンゲージメントの調査を実施し、課題を特定します。
    • フィードバックをもとに、働きやすい環境の整備や社内コミュニケーションの強化など、エンゲージメント向上に資する措置を講じます。
  5. 多様性・包摂の推進:
    • 多様性と包摂の価値を強調し、組織全体での浸透を促進します。
    • 多様な人材の採用や、包括的な雇用慣行の導入などを進めます。
  6. リーダーシップ開発プログラム:
    • リーダーシップ開発プログラムを策定し、リーダーの育成を推進します。
    • メンターシッププログラムやリーダーシップトレーニングなどを導入して、組織内のリーダーシップを強化します。
  7. パフォーマンス評価(人事評価)とフィードバック:
    • 定期的なパフォーマンス評価プロセスを確立し、従業員とのフィードバックセッションを重視します。
    • パフォーマンスの向上をサポートするために、目標設定やキャリアプランの策定を行います。
  8. 企業文化の構築:
    • ポジティブでサポーティブな企業文化を構築するために取り組みます。
    • チームビルディングイベントやコミュニケーション強化プログラムを導入し、従業員の協力と協働を奨励します。

これらの行動計画を組み合わせることで、人事管理のキャリアビジョンを実現するための道筋を作り出すことができます。

まとめ

行動計画はキャリアビジョンを現実のステップに変え、目標に向かって進む道筋を提供します。具体的な行動項目や期限を設定することで、計画的な進捗モニタリングが可能になり、キャリアアップに向けてとても重要な計画となります。
 今回は、キャリアビジョン実現のためになぜ行動計画が必要なのか?、行動計画の策定ステップ、作成ステップにある自身のSWOT分析の具体例(新人と管理職前の場合)について紹介、最後に前回記事のキャリアビジョン具体例(財務経理と人事管理担当のビジョン)を基に具体的な行動計画の項目について整理してみました。

当メディア管理人
じょう

大学卒業後、日系の経理部員からキャリアをスタートし、欧米、台湾など主に外資系にて転職を経験。その間、マネージャーからCFOへと着実にキャリアアップを実現。
 定年後、会社設立し定年ぼっち起業。キャリアアップ経験、人事部ではなく採用部門側として700人以上の経歴確認や300人以上の採用面接の経験、求職側と採用側の両方の経験などを活かしたキャリアアップ支援を実施中。また、中小企業診断士、ITコーディネーター、ファイナンシャル・プランナーなどの資格を活かした個人のライフ・バリュー・アップをサポート中。2024年5月国家資格キャリアコンサルタント登録。
 このサイトでは、「キャリア=ライフ・バリュー」と捉え、「自分らしくキャリアアップをしながら、ライフバリューアップを目指している人に向けてのコンシェルジュ」を目指して、情報を発信中。

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