【セカンドライフ】セカンドキャリアの見つけ方:定年後の働き方と収入の選択肢

セカンドキャリア

「定年を迎えたら、やっと自由な時間が手に入る」――そう思っていたのに、いざその時が近づくと、不思議と心にぽっかり穴が開く。
「毎日何をすればいいのか」「まだ社会と関わっていたい」「少しでも収入を得たい」――そんな気持ちを抱く方は多いのではないでしょうか。

人生100年時代、60歳は“終わり”ではなく“折り返し”です。
健康寿命が延び、70代でも元気に働く人が増えている今、「セカンドキャリア」は特別な人の話ではなく、誰にとっても現実的なテーマになっています。

この記事では、50代・60代が定年後に自分らしい働き方を見つけるための考え方と、人気の仕事・収入の選択肢を具体的に紹介します。

なぜ「セカンドキャリア」が注目されているのか

(1)定年後の“時間”と“お金”のギャップ

多くの人が定年後に直面するのは、「時間はあるけれど、お金が減っていく」という現実です。
公的年金の支給開始が65歳に引き上げられ、再雇用制度があっても年収は現役時代の半分以下というケースも珍しくありません。

例:55歳で早期退職したAさんは、数千万円の退職金を得たものの、「まだ30年以上も生きる」と気づいてから不安を感じ、再び働く道を模索し始めました。

(2)社会とのつながりが心の支えになる

仕事を辞めた直後は解放感がありますが、半年も経つと「誰とも話さない日がある」「自分の役割がない」と孤独を感じる人も少なくありません。
働くことは、単に収入を得る手段ではなく、“社会とつながり続けること”でもあるのです。

(3)働き方の選択肢が多様化した

テクノロジーの進化により、定年後の働き方は劇的に広がりました。
在宅ワーク、副業、オンライン講師、地域ビジネス――体力や環境に合わせて、自分らしいペースで仕事を続けることができます。


セカンドキャリアを考える前にやっておきたい3つの準備

① 自分の“棚卸し”をする

まずは、自分の経験・スキル・人脈・興味を整理しましょう。
長年のキャリアの中で培った強みは、意外と自分では気づきにくいものです。

例:営業職だったBさんは、自分の強みを「コミュニケーション力」と再認識。現在は地域商店街の活性化プロジェクトでコーディネーターとして活躍しています。

② 生活費と目標収入を明確にする

老後資金を守るためには、「いくら稼ぐ必要があるか」を数字で把握することが重要です。
年金額・貯蓄・生活費を一覧化し、「あと月○万円あれば安心」という目安を立てると、無理のない働き方が見えてきます。

③ 家族と将来の方向性を共有する

定年後は夫婦で過ごす時間が一気に増えます。
「まだ働きたい」「一緒に旅行したい」など、価値観のすり合わせをしておくことで、ストレスのないセカンドライフを築けます。


定年後に人気のセカンドキャリア5選

ここでは、実際に多くの中高年が選んでいる「定年後の働き方」を5つ紹介します。
いずれも、経験を生かしながら無理なく続けられる仕事です。

① 専門スキルを活かす「再雇用・顧問・アドバイザー」

最も定番なのが、これまでのキャリアを活かす再雇用や、顧問・アドバイザー業です。
経理、IT、営業、人事、製造など、専門性を持つ人材を求める中小企業は多く、週2〜3日勤務など柔軟な契約も可能です。

例:外資系企業で経理を担当していたCさんは、現在は中小企業の経営サポートを週3日行いながら、自由な時間も確保しています。

② 自由な働き方「フリーランス・副業」

クラウドソーシングやスキルシェアサービスの普及により、個人でもできる仕事が増えました。
翻訳、ライティング、デザイン、コンサルティングなど、自宅で完結できる仕事も多く、PCひとつで新しいキャリアを築くことが可能です。

例:退職後に独学でデザインソフトを学んだDさんは、現在クラウドサイトでチラシ作成の仕事を受注。自分のペースで月5万円ほどの収入を得ています。

③ 社会貢献型「地域活動・ボランティア・NPO」

収入は少なくても、やりがいを重視したい方に人気なのが地域貢献型の仕事です。
福祉・教育・環境など、地域課題の現場では経験豊富な人材が求められています。

例:元人事部長のEさんは、NPOの就労支援で若者の相談員として活動。「感謝される喜び」を仕事のモチベーションにしています。

④ 趣味を生かす「教室・販売・体験ビジネス」

趣味や特技を仕事に変えるケースも増えています。
料理教室、園芸、陶芸、写真など、自宅や地域施設を活用して小規模に始めることができます。

例:パン作りが趣味だったFさんは、近所のカフェを借りて週1回のパン教室を開催。口コミで生徒が増え、今では副収入の柱に。

⑤ 安定収入を得る「シニア雇用・パート・嘱託」

まだまだ働きたい人には、企業や自治体のシニア雇用制度を活用する方法もあります。
近年では65歳以上でも働ける職場が増え、清掃・施設管理・事務補助など、体力に合わせた仕事が選べます。

例:定年後も週3日、市役所の資料整理の仕事を続けるGさん。人との交流が生きがいになっていると話します。


セカンドキャリアを成功させる3つのポイント

① 「肩書き」ではなく「役割」で考える

定年後は、これまでの役職や名刺の肩書きから離れ、「自分が社会でどんな役割を果たせるか」を考えることが大切です。
「誰かの役に立つ」「自分の経験を伝える」――この視点が、やりがいの源になります。

② 収入とやりがいの“バランス”を取る

セカンドキャリアの目的は人それぞれですが、収入を得ながら精神的な充実も得ることが理想です。
“稼ぐため”だけの仕事では続かず、“やりがいだけ”でも生活は支えられません。バランスを取る意識が成功の鍵です。

③ 学び直しで“次の自分”をつくる

時代の変化に対応するためには、学び直し(リスキリング)が欠かせません。
オンライン講座や自治体のシニア向け講座など、手軽に始められる学びの場を活用しましょう。

例:元営業マンのHさんは、定年後に「キャリアコンサルタント」資格を取得。今は若手社員の相談に乗る仕事をしながら、社会とのつながりを再構築しています。


セカンドキャリアは「今までの延長」ではなく「新しい挑戦」

セカンドキャリアを考えるうえで大切なのは、「過去の延長線上」ではなく、「これからの人生をどう生きたいか」という視点です。
過去の経験は財産ですが、それを“どう活かすか”がこれからのテーマになります。

定年後の働き方は、もはや一つではありません。
企業に属してもよし、独立してもよし、地域に貢献してもよし。
重要なのは、自分が納得できる形で「社会と関わり続ける」ことです。

例:60歳で退職したIさんは、地元で小さな農園を始めました。最初は趣味でしたが、地域の直売所で販売するうちに“人と人がつながる仕事”へと発展。「セカンドキャリアの方が人生が面白い」と笑顔で話します。


まとめ:セカンドキャリアは“自分らしい人生”を再設計するチャンス

セカンドキャリアは、人生の「やり直し」ではなく「再設計」です。

  • これまでの経験を活かし、社会に貢献する
  • 健康と生活のバランスを取りながら無理なく働く
  • 新しい人との出会いを通して自分を再発見する

定年後の働き方を選ぶことは、自分の生き方を選ぶことでもあります。
今の延長ではなく、“これからの時間をどう使うか”――その問いに向き合うことが、充実したセカンドライフへの第一歩です。

今日からできるのは、「自分の棚卸し」から。
あなたの経験には、きっと誰かに必要とされる価値があります。
その価値を次のステージで活かす準備を、今始めてみましょう。

当メディア管理人
じょう

日系企業から外資系CFOまでキャリアアップを経験し、定年後は「定年ぼっち起業」を実践中。キャリア・お金・ライフプランに関する豊富な経験と、中小企業診断士・FP・キャリアコンサルタントなどの資格を活かし、現役世代からシニア世代までのライフ・バリュー・アップを支援。
本ブログ「キャリ道」では人生の転機に役立つヒントを発信しています。

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