キャリコン 論述試験ギリギリ合格のツボ

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 キャリアコンサルタント試験の中で自分が一番苦手だったのが、実技論述試験(キャリアコンサルティング協議会:キャリ協)。理由は過去問の解答が公表されておらず、模範解答がないので、どこまで、どう書いて良いのかよくわからず、勉強していても常に不安。資格試験合格の王道である過去問練習が十分にできない。
 実際1ヶ月前の模擬試験では50点満点中12点しか取れず、合格水準にはほど遠く、笑うしかなかった。そんな自分でもなんとか33点ギリギリで(でもA判定!?)で一発合格できたのは、運と自分のやり方を信じて疑わなかったからだと思う。

とにかく過去問を

 受験申込をする前に試験機関を決めなければならない。これがこの試験の初めの悩みどころ。(受験生のためにも早く一機関に統一して欲しいと個人的には思う)。自身は、試験問題との相性はキャリア開発協議会(通称:JCDA)だったが、どうしても時間内に書き終わる自信がなく、ギリギリまで悩み、結局キャリ協にした経緯(過去の記事に記載)があった。https://n-dra.com/cc/
 なので、勉強をしていてもモヤモヤ感が拭えず、やっぱりJCDAにしたほうが良かったんじゃないか?と、ささやくもう一人の自分がいた。
そんな中とにかく前に進めばならず、本格的に準備を始めた試験約一ヶ月前に取組んだことを整理。
 1)過去問の印刷(第15回まで遡った)
 2)過去問を一通り目を通す
 3)ネット上で解答例がないか探す
   (いくつか出てきたが、これがあまり役に立たなかった、自分には)
 4)養成機関(自分の場合はリカレント)の論述解答講座の動画を見直す
 5)過去問とリカレントの講座資料を見直しながら、自分なりの解答フレームを考えはじめる

自分なりの解答フレームを作る

参考書籍も論述試験については限られていて、その限られたものを何冊か覗いてみても、どうも解答の書き方がしっくり来ない。なので、自分なりに作ることにした。解答例が公表されていないということは正解は一つではなく多数あり、解答例を公表することで一つの考え方に縛られることを試験機関が良しとしていないと判断した。かといって、何を書いてもいいか?というと、そういうことではもちろんなく、一定のルール(フレーム)の中で、様々な解釈で解答すれば良いのでは?と自分なりに捉えた。

1.問題文を読みながらしたこと
 1)逐語記録を読む際、状況やきっかけなど事実については下線、CLの感情や気持ちなど心の言葉については波線を引く
 2)一通り読み終わったあと、CLの現状と将来ありたい姿について簡単にメモ
 3)現状とありたい姿の間にCC視点の問題点(見立て)は何かをメモ
イメージ写真実例


2.設問1
 1)CLが相談したいこと=主訴は何か?読みながら線を引いた下線「状況・きっかけ」から1つか2つ+波線「CLの感情や気持ち」から1つか2つを選び出し、要約せずに逐語より引用して、記載
 2)結びは「~こと。」とする
 3)80文字程度

解答フレーム

3.設問2 
 1)いちばん苦手な問題。あまり時間をかけずフレームに当てはめることに専念
 2)書き出しは「意図は」とする
 3)CLの内面:感情や思い、認識、状況の捉え方などに着目する
 4)~を確認し、相談者を理解するため、相談者への理解を深めるため などにまとめ
 5)結びは「~と思われる」とする
 6)80文字程度

4.設問3①
 1)主訴とCC視点の問題(1-3)を踏まえ、その根拠と優先順位を意識する
 2)書き出しは「問題は」とする
 3)~の理解不足、~の理解不足、~の理解不足:自己理解、仕事理解、思い込み、コミュニケーション不足、キャリアビジョン不足などなど
 4)結びは「~と思われる」とする
 5)80文字程度
 6)CC視点の問題(見立て)について、問題とその方策について事例を整理
  (出揃ったところでExcelでまとめ)

問題とその方策事例


5.設問3②
 1)上記の根拠となる文言を逐語からそのまま抜き出す。要約や書き換えはせず、そのままが大切
 2)書き出しは「根拠は」とする
 3)上記のCC視点の問題と考えた根拠となる箇所(波線)の言葉を逐語のまま抜き出し「①」、「②」という発言や「③」という発言であるとCC視点の問題の順番に揃えて抜き出す。
 4)結びは「という発言である」とする
 5)120文字程度

6. 設問4
 1)この問題の解答パターンは実技面接試験にも使えたので、非常に良かった。実技面接もこのフレーム通りに回答するように練習すると緊張も和らぎ、上手くまとまられたと感じている。
 2)書き出し:主訴の背景となる気持ちや思い+「丁寧に傾聴し」、(冷静に)~心の状態を作るなど~「ことを支援したい。」
 3)次は:「同意が得られれば」、(設問3-1の解決策)「の支援を行い」(3-1)の「理解を促す」、また、(3-2)の支援を行い、(3-2)の「理解を促す」。加えて・・・同様に。
 4)最後のまとめとして:「これらにより」~、~、(冷静に、主体的に、自律的になど)~(意思決定、選択、実現などなど)、(できるように、ため、出来ることを、など)「支援することを方針とする、支援の方針とする、など」で結ぶ

解答フレームに沿って過去問を解く

上記の解答フレームに沿って過去問を15回まで遡り解答練習。普段書く事が少なくPC入力で文字を作成してばかりなので、とにかく書く練習を。思いの外漢字が出てこない、上手く書けずに消す、消すと他の文字も消えてしまい書き直し、書き始めてみておかしいことに気づき書き直し、こんなことを何度も繰り返す。
合わせて、シャープペンも使いやすそうなものに買い替えたり、消しゴムもピンポイントが消せるようなペン式のものを試してみたり。文房具も試験対策の一つと思い、あれこれ試行錯誤。
 時間を計りながら解答練習すると、下書きをすると時間が足りないことが多く、これではだめだと気づく。「下線、波線、CLの現状とありたい姿、CC視点の問題」のメモだけを書くようにして、その後は一気に解答を書き出すようにした。(実際の本番は、このやり方でも時間ギリギリで、余裕は無かった)

模範解答がない不安

 過去問を解いても模範解答がない!なので正解がわからない!このやり方をやっていて大丈夫なのか?という不安は度々あった。が、何度も解答を練習していくうちに、根拠のない自信?、割り切り?ができてきた。何度かネット上にある過去問の模範解答らしきものを見たことがあったが、どうも自分にはピンとこない。文字数合わないだろう?とか、これがCC視点なの?などなど疑問だらけ。

 これがCC視点の問題なのか?という疑問が湧くのは、やはり解答は一つではないということだと自分に言い聞かせた。やり方は変えずに、特に試験2週間前から直前までは毎日1回分書く練習をした。同じ問題を何度か解いていくと、ときには前回と違う解答になったりもした。これで良いんだ、とにかく合格点を取れば、と思い書く練習を直前まで継続。

試験当日~なんとかギリギリ合格!

試験当日は自作の解答フレームと問題&方策整理を持っていき、待ち時間にそれを見直し、あとは何も考えずにリラックスして答案に向かった。(とにかく時間が空くので、リラックスするのが大事かと)
 いざ、本番、「結婚を控えフリーランスから社員になったほうが良いか?」という相談内容。ある程度出題テーマを予想していたが、全くの予想外の相談で一瞬動揺した。解答フレームを思い出し、とにかくそれに沿って解答しようと思い直した。やはり本番の緊張と時間を気にしすぎたのか、思うように考えがまとまらず、時間ばかりが過ぎ、解答フレームとおりに書くことが半分くらいしかできなかった。(終わった瞬間、中途半端な気持ち、こりゃだめだ!と思いました)
 それでも、ギリギリなんとか答案は埋めることができた。一気に書く練習をしておいて本当に良かったと実感。
 そういえば試験日以降、シャープペンで文字を書くことがほとんどないなぁと思う。書く機会が激減している今は、試験対策に書く練習は必須と思う。
 結果はなんとか合格。33点A判定。33点でA判定というのがよくわからない。ギリギリ合格だったらBとかCではないかと思うのだが。合格すればAなのか?もう少し冷静に解答できていれば、点数はもう少し良かったのでは?と自己分析。これが本番脳怖さ?
 模擬試験で12点しか取れなかった1ヶ月前から、なんとか合格までこぎつけられたのは、自分なりの解答フレームのおかげだと信じることにしている。

論述合格のツボ
1)過去問を解く
2)自分なりの解答フレームやCC視点問題事例集を作り、それに当てはめる練習
3)時間を意識して、とにかく書く、消す、書く、書くの練習
4)自分を信じて、最後まで諦めない

当メディア管理人
じょう

大学卒業後、日系の経理部員からキャリアをスタートし、欧米、台湾など主に外資系にて転職を経験。その間、マネージャーからCFOへと着実にキャリアアップを実現。
 定年後、会社設立し定年ぼっち起業。キャリアアップ経験、人事部ではなく採用部門側として700人以上の経歴確認や300人以上の採用面接の経験、求職側と採用側の両方の経験などを活かしたキャリアアップ支援を実施中。また、中小企業診断士、ITコーディネーター、ファイナンシャル・プランナーなどの資格を活かした個人のライフ・バリュー・アップをサポート中。2024年5月国家資格キャリアコンサルタント登録。
 このサイトでは、「キャリア=ライフ・バリュー」と捉え、「自分らしくキャリアアップをしながら、ライフバリューアップを目指している人に向けてのコンシェルジュ」を目指して、情報を発信中。

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